Harmonize

エネルギーデトックスワーク協会認定上級セラピストのブログです。不調の原因は、体に溜まり続けた不要なエネルギーから来ているとしたら? 不要なエネルギーは、抜くことができます。エネルギーデトックスワークは、それができる『技術』です。

◆中央手術部勤務時代の話◆緊急手術での修羅場 1

もくじはこちら

◆プロフィール◆ - Harmonize

 

~~エネルギーデトックスワーク協会認定上級セラピスト・1dayセミナー講師 NAMIです~~

 

以前の記事で、

『血を見ても気分が悪くなっている余裕など無かった』

と書きました。

 

手術中はどうしてもある程度の出血は避けられないですが、止血しながら手術が進められていくので、例えば血の海みたいになるケースは稀です。

 

予定手術の場合は。

 

そうでないのが緊急手術の時で、私が何度か遭遇した修羅場も夜間の緊急手術になります。

 

予めそれなりの時間をかけ、薬や身体機能を手術に向けて調整していく予定手術ではなく、例えば血液をサラサラにする薬を飲んでいたりするのが色々なアクシデントにより、なんの準備もなくそのまま手術室に運ばれてくる緊急手術は、色々なところで違ってくるのは当然ですね。

 

そして緊急手術それ自体は、実はそれほど珍しいもの(頻度)ではないです。

夜だから病気になるのはやめておこうとか、受付時間を過ぎたから病気になるのはやめておこうとか、そんな事はできないですからね。

不慮の事故もあります。

 

 

ただその中でも、

 

『あれはまさに修羅場だった』

 

と自他共に認めるようなもの、

こうして20年以上が経った今でもそう思えるようなものは、そうそうあるものではありません。

数えるほどです。

 

 

f:id:harmonize:20201214124002j:image

 

某私立医科大学病院に新卒で入職し、中央手術部に配属され、無我夢中で学びながら外回りをひとり立ち。

 

器械出しも各科を終えて、最後になる心臓血管外科でやっと弁置換術をひとり立ちした時期のことです。

 

弁置換術というのは、簡単に言うと、状態が悪くなってしまい、修復も難しくなってしまった心臓の弁を、人工のものに置き換える手術のこと。

当然心臓が動いたままでは手術ができないので、人工心肺を使いますが、この手術は心臓血管外科で器械出しをするには(当時は)基本的な手術とされており、これをもって器械出しナースとしては完全なひとり立ちとなっていました。

(外回りも同じだったと記憶しています)

 

とは言っても、ひとり立ちしたからと言って「もう大丈夫でしょ」と放り出される、ようなことは全くありません。

いわば初心者マークですからね。

必ずベテランと組むようになっていましたし、ひとり立ちしてからも指導者が様子を見に来ることは度々ありましたし、勉強会も重ねていました。

 

あれはまさに修羅場だった、と今でも思う緊急手術に遭遇したのは、そんな時期の、『宅直』のある夜のことでした。

 

 

 

 

//////////

 

 

www.harmonize.blue

 

◆エネルギーデトックスワーク協会

 

↓セッションお申し込みはこちら

お問い合わせ

 

 

にほんブログ村 健康ブログ セラピストへ
にほんブログ村

 

 

 

 

 

お腹の中は、とても深い 2

もくじはこちら

◆プロフィール◆ - Harmonize

~~エネルギーデトックスワーク協会認定上級セラピスト・1dayセミナー講師 NAMIです~~

 

これの続き。

開腹手術を例にして書いています。

 

器械出しは、術野を見ながら今がどんな場面で、医師が何をしようとしていて、この場面では何が相応しいのかを判断しながら、術野しか見ていない医師(執刀医)(←それだけ集中しているのです)の手に必要なものをテンポよく渡していかなければなりません。

 

「〇〇」と言ってくれるときも多いのですが、手だけが出てくる時も結構あります。

 

今は、どんな段階? 

何をする途中?

何が起きている?

 

 

と、予測しながら術野を見ていれば、その流れについていけるわけです。はじめのうちはなかなか難しいですけど。

何事もそうですが、習うより慣れろ(その前段階として必要な知識を入れておくなどの準備は当たり前として)でもありますね。

 

だからこそ、外回りに入った時に積極的に術野も見るようにしたり、自分の手が空いている時に、まだ入ったことのない手術やこれから入る予定の手術があれば、ルームに入って流れを見たりするんですね。

ただ何となく見るのではなく、自分が器械出しに入っていたら、この場面ならどうするか? 医師は次はどうするのか? と、考えながら見ていると、得るものが大きいのです。

 

直接介助の、個別の『手術手順』というのはちゃんと作成されていますが、実際に考えながら目で見るのと、紙の上だけで見るのとでは、落とし込み方が雲泥の差なのです。

 

 

f:id:harmonize:20201212154424j:image

 

そうやって流れを見つつ先を予測しながら、器械出しは、常に

今何の手術器械がいくつ術野に行っているのか、

何枚のガーゼが術野に行っているのか、

針が術野に行っているのか

などを把握『し続けて』います。

 

針などは小さいですから、戻ってきた持針器(針用の鉗子)に針がついているかどうかは毎回必ず確認します。(言うまでもなく当たり前ですけど)

 

さて、摘出しなければいけないものは摘出し、繋げなければいけないところは繋げ、止血を確認し、その他諸々が完了すると、閉腹となります。

 

ここで、器械・ガーゼ(及び針)カウントが必要になります。

 

術野で使っていた器械がドッと戻ってきますし、ガーゼも戻ってきます。ガーゼは、下に落とされる(ガーゼ用の、動く汚物入れに入れますが、落とす方は見ないで落とすので床がエライ事に…)ものも多いですが。

 

それらの合計が、キチンと手術前に自分がカウントしたのと同じ数があるかどうかを、素早く確認するんですね。

このときにカウントが済むまで待ってくれる医師もいますが、多くはカウントしてる最中にも、もう腹膜が閉じられていきます。

腹膜を閉じるための器械を出しながら、いっぽうではカウントをするので、もうすぐ終わるという安堵感と、緊張感とが同時に来ますね。

 

カウントはほとんどの場合ちゃんと合います。

 

万が一、器械でも、ガーゼでも、針でも、はじめのカウントと合わなければお腹を閉じられません。

(お腹でも胸でも同じ。閉じられません)

 

ガーゼが合わなかったりすると、外回りは出血量を記録した後のガーゼ(10枚ずつひとまとめにしている)を1枚ずつ数え直します。30枚とか40枚とかの話ではないし、再カウントで間違えてはいけないので、これも慎重にやりますし、枚数が多ければ応援を頼みます。

ガーゼが本来入らないはずのゴミ入れの中も探すし、摘出された臓器の中に紛れていないかも確認します。

途中術衣やオイフを交換するなどしていたら、その中も探します。

つまり、ガーゼに関わる可能性のある、全てのところを確認するのですね。

 

器械出しは器械出しで、カウントし忘れているガーゼがないか、そもそものカウントが間違っていないかを確認したり、

医師も術野は勿論、ありそうなところを探します。

 

「お腹の中から見つかりました」

ということは私の経験でも、聞いた話でも、無いです。

 

単純に手術台の下で布の影になっていたり、

単純に束をほぐす前のガーゼカウントのところで2枚一緒にカウントしてしまったとか、

『オイフ』という青い布と布が重なったところに入ってしまっていたり、電気メスを固定したガーゼをカウントに入れ忘れていたりだった気がします。

昔は布のオイフを布鉗子や針糸固定で組み合わせて使ったので、術中に間に入り込む事もあったわけ。

今はそんなことはなくて、1枚の大きなディスポ製品で、それぞれの手術に特化した良いのがあるんでしょうねー。

 

 

ところで、もし、本当に見つからなかったらどうなるか、というと。

 

「『中には無いだろう』『無いはず』で閉める」

 

ということはありません。

 

 

そのための、『レントゲンに写るガーゼ』です。閉じる前にレントゲンを撮るのです。中にあれば写りますね。

 

 

『ないだろう』

ではなく、人のやることには

『あるかもしれない』

という前提で、二重三重の事故防止策を用意しておくというのは、大事ですね。

特に「いつもと違う事が起きた」という時は、その確率が高くなりますし、転ばぬ先の杖は、何に対しても必要だと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

//////////

 

 

 

 

www.harmonize.blue

 

◆エネルギーデトックスワーク協会

 

↓セッションお申し込みはこちら

お問い合わせ

 

 

にほんブログ村 健康ブログ セラピストへ
にほんブログ村

 

 

 

 

 

お腹の中は、とても深い◆中央手術部時代の話◆

もくじはこちら

◆プロフィール◆ - Harmonize 

 

~~エネルギーデトックスワーク協会認定上級セラピスト・1dayセミナー講師 NAMIです~~

 

時々、

「昔の手術のガーゼがお腹から見つかった」

「器械が見つかった」

という話がニュースになりますね。

 

何故?

という追求と対策は、そこの病院で為されるものだとして、実際の手術現場では、それを防止するための事はちゃんとなされています。

 

それが

「器械・ガーゼ・針カウント」

というもの。

 

手術用器械には色々なものがありまして、それが小児用、成人用、胸部用(肺が心臓かで当然違います)、腹部用(開腹な否かで違います)、関節用、血管用…など、適したものがあり、それが更に(その病院によっての)手術セットが組まれています。

ひとつの手術に1セットではなく、いくつかのセットを組み合わせる事もあります。

 

器械出しに入ると、手洗いして術衣を着て手袋をして、まずやる事は開始前にどんな器械がいくつあったのか、のカウントです。

 

全ての器械が術中フルに使われるという事はなく、例えば皮膚から腹膜切開までで使うもの、腹膜が開いたら使わないもの、逆に腹膜が開いたあとでしか使わないもの、出血時に使うもの、狭いところで使うもの、細いところで使うもの、弱いところに使うもの、把持用に使うものなどなど、進行によって変わってきます。

 

 

f:id:harmonize:20201210095949j:image

 

開腹手術を例にとると。

 

例えばペアン(無鈎止血鉗子)という器械があります。ハサミによく似た形態のアレです。

 

f:id:harmonize:20201210132227j:image

 

ひと口にペアンといっても。短・長、さらに直・曲の別もあります。小児用の華奢なものもあります。

先端内側に鈎が付いていないので、組織を傷つけたくない時に使うものです。

 

腹膜を開ける手術(開腹手術)では、腹膜が開いたら短いものは全て片付けます。

これは他のものも同じ。

鑷子(ピンセット)も、メスも、ハサミも、全てです。

短いものを使わないというのは、腹腔内に置き忘れるリスクをなくすためにですね。

成人のお腹というのは、結構深いものなんです。やはり、胸も深いです。

 

更に、腹膜が開いたら鈎付きの器械も下げます。(すぐに出せるようにはしておきますが)

鈎で組織を損傷させないためです。

手術器械を置いておく盤はメインとサブ、術野用と用意しますが、サブの方に移動させるんですね。

 

 

当然ガーゼも、腹膜が開くまでに使うガーゼ、腹膜が開いた後で使うガーゼは違います。

腹膜が開く前に使うのは普通のガーゼですが、腹膜が開いたあとは、「レントゲンで映るガーゼ」を使います。

さらに基本的にガーゼ単独では使いません。枕状に折り畳んで、ロングペアンで挟んで使います。

と言っても、細かいところの止血などには鑷子で摘んで使う事もあるので、「今、〇枚『中』で使っているな」という事も器械出しは把握しています。

 

私は結構まめに器械やガーゼカウントを頭の中でやりながら器械出しをしていました。

お腹の中では血液を吸ってくちゃくちゃになったガーゼは、見えなくなって危ないので。

 

当然、器械出しのナースは、術前器械カウントと共にガーゼカウントも行いますし、術中に外回りにガーゼを追加してもらうときも外回りと共にガーゼカウントをします。

手術時間が長引いて、途中で一時交代をする時にも、器械・ガーゼ・針カウントは大事な事でした。

 

 

 

 

 

 

 

//////////

 

 

www.harmonize.blue

 

◆エネルギーデトックスワーク協会

 

↓セッションお申し込みはこちら

お問い合わせ

 

 

にほんブログ村 健康ブログ セラピストへ
にほんブログ村

 

 

 

 

 

◆通勤◆意識の差があることを実感する

もくじはこちら

◆プロフィール◆ - Harmonize

 

~~エネルギーデトックスワーク協会認定上級セラピスト・1dayセミナー講師 NAMIです~~

 

コロナ禍に陥る前から、通勤に公共交通機関を利用しています。

 

ここのところ気になるようになったのが、混雑した中でもお構いなしに大声で話す人。

 

まだヒソヒソと話すのなら、それなりに気を使っているんだな、と思うのですが、まるで居酒屋にいるようなボリュームで話す人もいます。

男性よりも中年女性に多い印象。そして同じ人たちだったりする。

 

 

f:id:harmonize:20201208090314j:image

 

 

電車にしろバスにしろ、3分〜6分ほどで内部の空気が入れ替わるとは言われています。

 

そしてそういう人達も自分自身も、お互いにマスクはしていますが、万全という対策はないですし、正直なところやはり気になります。

 

さすがに喋らないで欲しい、とまでは思いませんし、時と場合によっては話さなきゃいけない時もあります。

でも職場の愚痴なら、閉鎖空間から出てから話しても良いよね、と思いますし、せめて小声で話そうとかは考えないのかな、とも思います。

 

その辺りは感覚の違いなのでしょうから、おそらく言ったところで無駄だろうと思うし、それでトラブルに巻き込まれるのも嫌なので、可能な限り換気の良さそうなところに移動するという自衛をするのですが。

 

要は、だから自分はどうするか?

という事なんですよね。

 

 

 

 

 

//////////

 

 

 

 

www.harmonize.blue

 

◆エネルギーデトックスワーク協会

 

↓セッションお申し込みはこちら

お問い合わせ

 

 

にほんブログ村 健康ブログ セラピストへ
にほんブログ村

 

 

 

 

 

中央手術部勤務時代の話 当直・宅直 その1

もくじはこちら

◆プロフィール◆ - Harmonize

 

~~エネルギーデトックスワーク協会認定上級セラピスト・1dayセミナー講師 NAMIです~~

 

手術(予定されている手術)は日勤帯でやるものですが、そうも言っていられない時も結構ありますよね。

 

私が勤務していた当時、手術部勤務のナースには当直・宅直というのがありました。

呼び方は違うかもしれませんが、おそらく今も、どこも同じような体制をとっているのでは? と思います。

 

直接介助(器械出し)、間接介助(外回り)が一定レベル以上出来るようになると、夜間の緊急手術にも入るようになりますが、当直・宅直というのは、夜間緊急手術のための要員です。当直・宅直共に1人ずつ。

 

夜間緊急手術に関しては、また別の機会に書くとして。

 

当直・宅直共に、日勤から継続して入ります。(私が勤務していた当時は。今は違うかも)

まずは日勤帯で終わらない手術の引き継ぎから。

交代する時にはその時点で器械・針・ガーゼカウントをし、今手術がどのあたりまで進んでいるかを申し送られ、自分でも把握します。

 

ちなみに、日勤帯で終わらない手術がひとつだけとは限らず、複数ある場合もありますが、そういう時は日勤帯での残業となります。

 

当・宅がはじめに交代した手術が終わって、まだ他の日勤帯からの手術が終わらない時は、ルームや器械、機材、諸々の片付けを後回しにして、そちらの手術に入ります。

 

 

…で、全ての手術が終わったところで、初めて2人で片付けに入れるんですねー。

 

 

f:id:harmonize:20201210144603j:image

 

 

日勤帯だと、ひとつの手術が終わると手術に入っていないナースやアシスタントさんがばーっと来てくれて、器械以外、ルームそのものは一気に片付くのですが、夜勤帯ではそうは行かず、時間がかかります。

 

床は色々こびりついて汚れていたり、糸の切れ端が多量に落ちていたりしますから。

床を拭くのでもただ水拭きだけ、というわけではないし、汚物入れや計りを綺麗にして、足台も綺麗にして、ルームの必要物品や薬剤等の補充などもあります。

更には感染症(+)だったりすると、全ての器械に特別な消毒(時間がかかる)が必要になります。

 

当直者は翌日は休みになりますが、宅直者は翌日も勤務なので、当直者は宅直者を早く帰さないといけません。なので当直になると、どう残務を組み立てると宅直を早く帰せるかな、と考えて仕事にあたります。

 

大体、器械出しの残務を残して外回りの残務を先に片付けていましたね。

で、先に宅直を帰した後、1人だだっ広いオペ室に(こういう時は、ホントに広すぎなんです)残って機械のカウントをするんですが…不必要なところは照明を切っているのもあって。これが、私はメッチャ怖かったですねーー。

 

そんな感じで、宅直者は緊急手術の呼び出しに備えて待機。(確か30分以内に来れる距離でした)

当直者はオペ室での仕事が終わると救急外来の仕事に入りました。

 

 

 

 

 

//////////

 

 

 

 

www.harmonize.blue

 

◆エネルギーデトックスワーク協会

 

↓セッションお申し込みはこちら

お問い合わせ

 

 

にほんブログ村 健康ブログ セラピストへ
にほんブログ村

 

 

 

 

 

有料老人ホームでのナースの夜勤

もくじはこちら

◆プロフィール◆ - Harmonize

~~エネルギーデトックスワーク協会認定上級セラピスト・1dayセミナー講師 NAMIです~~

 

 

 

いきなりですが、夜勤するって負担がかかるんです。

 

人の体は本来朝起きて夜寝るように出来ているから。自律神経が、そうなっているからです。

だから自律神経が整わなくなると、いろんな症状が出ますよね。

 

夜勤というのは、身体が休息するべき時にそれに反して働くので、自律神経を狂わせる原因となりうるんですね。

 

 

若い頃ですら『これは人として自然じゃない』と感じていました。

なので、出産育児から現役復帰した当初から、夜勤は問題外。日勤常勤の働き口を探して働いて来ました。

 

それが、この年齢になって夜勤をするようになりました。

 

以前働いていたところは有料老人ホームで、24時間ナース常駐というのが売りのところ。

でも当たり前ですが、夜間、医師はいません(昼は何かあれば往診医に相談が出来ますが)。

 

入居者100人前後に対して、夜間のナースは1人です。

その中で『本当に医療的処置が必要な人』が専用フロアに20人ほどだとしても、ナースでないと出来ない処置、投薬、点滴等が必要なかたは1か所にまとまっておらず、施設の各階に足を運ばなければいけません。

 

そしてそれは、文字通り分単位で動かなければ1人でこなせないスケジュールになります。

どこかで予定外のことが起きれば、あとがガタガタになる。そして人間相手ですから、予定外のことは当然起きて来ます。

 

スケジュール通り回る間も、『本当に医療的処置が必要な人たちの中の、更に状態の悪い人たち』のことが常に気にかかりながらです。

 

ギリギリまで吸痰などをして、状態を確認してから他のフロアに出かけるのですが、それでも、もともとの状態が良くないので、いつ急変するかわかりません。

 

いくら高齢の方といっても、ご家族によっては【最後までできる限りの医療的処置をしてほしい】という方もいますから、他のかたをみている間に急変して、救命が間に合わなかった、では済まなくなるのです。

 

 

f:id:harmonize:20201210144626j:image

 

具体的な夜勤の仕事は。

夜勤に入るとまずは翌朝の内服薬と翌朝の貼付薬(中身全てに日付記入、10人や20人ではない)を準備。(時間的にできないこともあり、そういう時はあとで時間を見つけてやる)

 

ラウンドしながら申し送りで気になるかたや、

重症者の状態確認、バイタル(体温や血圧、酸素濃度など)測定と吸痰。

DIV(普通の末梢からの点滴)やCV(中心静脈カテーテル)の刺入部やルートの確認、滴下の確認や調節。

この時に点滴が詰まっていたり漏れていたりすると、ただでさえ時間がない中で入れ直さなければならず、しかも年齢的、状態的に血管が脆くなっているかたが多いのでとても大変なのです。点滴は苦手じゃないけど、それでもかなり手間取ることが多いです。

 

一度ナースステーションに帰って来てから翌日の朝薬を持って各館&各フロアへ。

 

フロア担当の夜勤ケアワーカーさんと、1人分ずつ朝薬の声出し確認のダブルチェックと、

状態が変わったかたの有無を確認し、

こちらからも夜間注意すべきことを伝える。

これを全フロアで。

 

それが終わったら一度戻り、ナースでないと投薬できないかたの内服薬、夜間処置を行うために必要なものなどを持って各部屋を回る。

 

こんな感じで消灯時間までにやらなければいけないことを分刻みで終わらせます。

あとはナースが時間ごとにラウンド(巡回)する必要のあるかた以外はケアワーカーさんにお願いして、自分は医療処置が必要なかた達のフロアに戻ります。

 

フロアを(特に気になる人のところはまめに)ラウンドしつつ、全ての入居者さん(100人前後)の翌日の内服薬をセットしたり、食事量・水分量、排泄、状態変化のパソコン入力などに当たります。排泄状況を見て、必要な人には翌朝の下剤の調整もこの時に。

 

経管栄養(胃ろうや腸ろう、経鼻栄養)のかたもとても多かったですが、それらの用意をします。内服薬を含めて。

人によって注入する栄養剤が違ったり一緒に注入する水分量が当然違うので、一覧表を確認しながらです。

 

そうする間にも、フロアのどこかから変な声や痰が絡む音が聞こえれば、すっ飛んで行きます。(走りませんけど)

 

余裕があれば投薬カートに薬剤の補充(これが日勤帯では結構手間なので。余裕がない時はやりませんが)

ヘパリンロックのかたは時間を見てロックに行く。(点滴ルートを翌日も使えるよう、凝固を防ぐための薬剤を入れること)

 

合間に食事をとって、一息つけるのが午前1時から2時くらいの間。

 

一応休憩時間となっているので、ケアワーカーさんに【特に気をつけて見るかたと見るべきところ】を申し送り、休憩に入ります。

もちろんその前にやるべき処置をやって、状態を確認してからです。

何かあればどのフロアからでも呼ばれますから、休憩出来ないことも珍しくないですけどね。

 

運良く休憩出来た時はここぞとばかり、特に髪と頭からエネルギー抜きをします。(これをやると自律神経の乱れが小さく済んで戻りも早いのです)

 

運良く休憩出来たら、午前3時前には仕事に戻ります。

経管栄養前に該当のかたと、必要なかたたちの吸痰に回り、同時に体位を整えながら経管栄養開始。

1番最後のかたを始める頃には1番に始めたかたが終わるので、また戻って水でフラッシュして終了、物品回収。それを順にやっていきます。途中、心配なかたの様子も見ながらです。

 

経管栄養終了→物品洗浄、乾燥。これがひとつひとつ手作業なので、意外に時間を取られます。

 

余裕があればここで夜間の排泄状況と1日の水分量をパソコン入力。出来なければ残業でやることになります。

 

午前5時頃から2時間ほどが怒涛の時間で、各フロアのかたたちのバイタル測定開始。この人数がハンパない。(10人や20人ではない)

 

早朝血糖測定。問題なければ、定時打ちのかたにはインスリン投与。パッチ薬貼付。吸入薬投与。これを各館各フロアで。

 

戻ってきたら即吸痰が必要なかたのところを急いで回ります。

 

余裕があれば朝食介助までの間にバイタルをパソコン入力。(無ければ残業してやる)

 

朝食配膳、投薬、食事介助。(ナースは飲み込み不良の方の介助)

 

申し送りまでの間に、申し送る事の整理。

 

時間があれば、各部屋の吸引ビン洗浄、吸引カテーテル用消毒液交換(容器洗浄)、吸引用水の交換(容器洗浄)。(→時間がなければ残業で)

 

施設全体への申し送り。

ナース間での申し送り。

 

 

ノーマルな夜勤はこんな感じでした。

 

 

ここに急変が入ったり救急搬送が入ったりすると、往診医師への連絡、施設責任者への連絡、家族への連絡、病院への連絡、救急隊への連絡、救急隊・救急外来担当医への連絡票作成などが入ってきます。

 

救急搬送の後で何から始めればいいかと少しの間頭が真っ白になりますが、優先順位を組み立て直してまた始めるだけです。というか、それしか出来ないし。

急変の時間にもよりますが、日勤帯に仕事を残すことも致し方なしと、ある意味開き直りが必要になりますね。日勤帯忙しいところに申し訳ないんですけどね。

早い時間だったら夜勤帯の間にどうにか挽回出来るんですが。

 

まあ、夜勤やる人はわかってくれますけどね。

「お疲れさまー! 大変だったね!」と。

 

…そんなわけで、夜勤て基本的には休み時間は無いと思った方がいいのではないかと思います。

休める時もあるけど。

 

そうそう、トイレは行ける時に行っておきます。気がついたら一度も行ってなかった、なんてこともザラにあるので。

 

 

 

 

 

//////////

 

 

 

 

www.harmonize.blue

 

◆エネルギーデトックスワーク協会

 

↓セッションお申し込みはこちら

お問い合わせ

 

 

にほんブログ村 健康ブログ セラピストへ
にほんブログ村

 

 

 

 

 

中央手術部勤務時代の話 『背中は不潔』なのだ

もくじはこちら

◆プロフィール◆ - Harmonize

 

~~エネルギーデトックスワーク協会認定上級セラピスト・1dayセミナー講師 NAMIです~~

 

手術室におけるナースの仕事には、直接介助と間接介助とがあります。

間接介助(俗に言う外回り)は前の記事でざっくりと書きましたが

 

直接介助(俗に言う器械出し)というのは何かと言うと。

 

よく、医療もののドラマなどで、キャップをつけてマスクをして手袋をして青いガウンを着て、目だけを出した医師達の傍で、同じく目だけを出して、手術用の器械を医師に渡すナースがいますね。あれが「器械出し」です。

 

今はだいぶしっかりした監修が入るようになったのでしょう、手術もののドラマを見ていて『何このデタラメ、あり得ねー!!』

と思う事は昔に比べて随分少なくなって来ました。

 

昔は器械出しのナースが術野に背を向け、術野も見ずに手術に加わっていて医師に器械を渡す、というひどいものもありましたからねー。

 

 

手術室では、清潔不潔という分け方が徹底していて、滅菌してあるガウン(手術用の、あの青くて長い、足首まである上着)を着ていても、表側(前)は清潔、裏側(背中)は不潔という扱いです。

 

更に表側も、清潔とみなすのは袖と、胸、おへそのあたりまでという狭い範囲。

 

なのでTVでよくある、手洗いした医師が両手を胸の高さに上げてオペ室(手術室)に入ってくるシーン、あれは的を射ているのですねー。

あれがもし高すぎて、頭の横だったりしたら不潔となるのです。だらんと手を下げたりしていても不潔なのです。

 

 

 

f:id:harmonize:20201210144647j:image

 

 

余談ですがこのガウン、自分1人で着ることは出来ないんですよ。

 

器械出しに入る時は、手洗いをします。

硬い滅菌ブラシを洗う部位ごとに新しくしながら、消毒剤をつけて爪から上腕に向かってこすり洗いし、最後は滅菌水で流します。

 

滅菌水の流し方も、水滴の拭き取り方も、タオル(滅菌済み)の持ち方、腕への掛け方から、全て清潔維持のために決まっています。

 

もしどこかで手順を間違ったりしたら清潔が維持できないので、初めから(手洗いから)のやり直しとなります。

 

 

その後にあの長いガウンを着るのですが、これも初めにどこを持つかとか、手を入れたらどこまで手を出すかとかが決まっています。

ガウンの背中の内側の紐を外回りに結んでもらったら、清潔区域に入って手袋を着ける。

ちなみに手袋を不潔にしないための手袋の着け方(初めにどこを掴んで手を入れるかなど)もちゃんとあります。

 

そうやって手袋までつけて、自分自身が清潔になったところで、ガウンの表側の紐を触ることができます。

紐に紙がついているのでそれを外回りに掴んでもらい、自分が体を半回転させて、紙から紐を引き抜き、前で紐を結ぶ。

 

この紐も、結びが甘くて解けたりすると垂れてしまいますから、当たり前ですがしっかりと解けないように結ばないといけないんですねー。

 

自分が清潔になったところで、やっと手術器械に触ることができます。今度は手術で使うガーゼや器械のカウントをしたり、必要な器械をセットしたり、外回りから必要な薬剤をシリンジ(注射器)に吸ったりの前準備が必要になりますが、その辺りはまた次の機会に。

 

清潔操作が要求されるのは何もオペ室だけではないですが、私はこの時に叩き込まれた清潔不潔の概念が、オペ室から離れて随分経つ今でも仕事に役立っています。

 

 

 

 

 

 

 

 

//////////

 

 

 

www.harmonize.blue

 

◆エネルギーデトックスワーク協会

 

↓セッションお申し込みはこちら

お問い合わせ

 

 

にほんブログ村 健康ブログ セラピストへ
にほんブログ村

 

 

 

 

 

某私立医科大学病院 中央手術部勤務時代の話2

もくじはこちら

◆プロフィール◆ - Harmonize

 

~~エネルギーデトックスワーク協会認定上級セラピスト・1dayセミナー講師 NAMIです~~

 

前の記事で

 

さらっと【中央手術部】と書いてしまいましたが、それって何かというと。

 

超超ざっくりというと、院内外科系各科の手術を安全に行うための部屋、モノ、設備、ヒト、環境が全て揃っているところです。

 

外科系というのは、病院によって名称は変わるでしょうが、例えば一般外科とか、腹部外科とか、胸部外科とか、小児外科とか、口腔外科、(産)婦人科、整形外科、心臓血管外科とか。外科と付かなくても耳鼻科とか眼科とかですね。

 

私が勤務していた当時は(当時というか、今もそうでしょうけど)月曜から金曜まで、何曜日に何科の手術が入るというのはキッチリ決まっていて、さらに何日の何時から誰のどんな手術が、どの医師達によって、何時間の予定でどんな術式で入っているかも把握することが出来ましたし、自分が誰とどの手術に入るのかも決まっていました。

それに加えて緊急の手術が入ってきます。

 

手術室が10あったとしたら、どの部屋で何科の手術が主にされるのかはだいたい決まっている(例外もありますが)。

 

例えば、心臓血管外科の手術だと人工心肺が必要な大掛かりなものもありますね。

そうなると医師の数は勿論の事、臨床工学技士(人工心肺の操作管理をする専門職の人)、看護師も器械出し(術野側の看護師)に2人、外回り2人(麻酔側と人工心肺側)の人数が必要になるので、それ相応の広さと環境が必要で、出来る部屋が限られるわけです。

 

また、長い手術時間を、その部屋の中で完結する事ができるよう

(それが時間のロスの削減になり、ひいては患者さんの負担減に繋がる)、

それに特化した薬剤や物品が揃えられています。

→ということは、それの管理も日々必要ということ

→そして管理は勿論、ナースの仕事

 

 

f:id:harmonize:20201210144711j:image

 

そのほかにも物品を滅菌する中央材料室が隣接していたり、室の陽圧が維持されクリーンルームである事は言わずもがなの基本です。

 

こうして書いてみると、自分にとって当たり前でも、知らない人からすると『?』になることって結構ありますね。

 

 

 

 

 

//////////

 

 

 

www.harmonize.blue

 

◆エネルギーデトックスワーク協会

 

↓セッションお申し込みはこちら

お問い合わせ

 

 

にほんブログ村 健康ブログ セラピストへ
にほんブログ村