前のブログ記事
中途覚醒がなくなったという話の中で『組織が崩される』ということを書きました。これまでにも何となく書いてきましたね。
ただ何もしないで寝ているだけでも、エネルギーが要ります。基礎代謝というやつです。それプラス、
運動したり
仕事をするのに頭や体を使ったり
様々な(精神的肉体的)ストレスに対処したり
体にいろんな形で入ってくる変なモノを無毒化して排出したり
排出が出来なければ出来るだけ体にとって害のない方法で入れておいたり
ウイルスや菌と戦ったり
傷んだところを修復したり
日々生まれる“エラーを起こした細胞”を処理したり、
子供であれば成長するためにも
排卵や月経を起こすのにも、
体内で起こるあらゆる事にエネルギーが要ります。
つまりは当たり前だけど、生きている限りエネルギーが必要。エネルギーというと漠然としてしまいますが、要するに【燃料】です。
昔、『力のもとになる』と教わった『糖質』。これは、“甘いもの”てはありません。
これは、合成したものや抽出したものでなく、『自然界にもともと存在している糖質』のことです。
これが体に無ければ(入ってこなければ)、
或いは体内にはあるのに、なんらかの理由でそれを細胞内に取り込んで利用することが出来なくなれば、
体は生き延びるために体の組織(タンパク質や脂質)を分解して燃料にします。これをリポリシスとかプロテオリシスといいます。
より起きやすいのは、リポリシス(脂肪の分解)です。
本来脂質やタンパク質は体をつくるもの=体を構成するものであって、エネルギー源としては、あくまでも糖が切れた時や糖が入ってこない時の緊急用としてストックされています。
これが緊急時ではなく長期にわたれば、分解される筋肉や脂肪は当然少なくなっていき、結果、不健康な感じで痩せていくことは容易に想像出来ますね。(糖代謝に関するある病態を思い浮かべてもらうと、よくわかりますけれども)
この状態が継続される事での1番厄介な点は、
エネルギーを作る小器官であるミトコンドリアを、最終的に発生するアルデヒドが破壊していく事です。つまり徐々に「エネルギーを作れない体」になっていくということ。
エネルギーが作れなければ、先ほど挙げたような色々な体の働きが出来なくなっていきます。
限られた燃料しかなければ、体は生命の維持に最優先するべきところにまず燃料を回し、燃料が行き渡らないところは犠牲になることが当然起きてきます。
更に、厄介な点がもうひとつ。
糖を摂ったとしても、血液中に糖質と脂質が同時にある場合。
その場合は、本来最も効率の良いエネルギー源であるはずの糖質を使わずに、脂質を利用する体になってしまう、ということです。(ランドルサイクルと言います)
どういうことでしょう?
せっかくエネルギー源を入れても、ブドウ糖を細胞が取り込めない。ブドウ糖を使えない体になっている。使うことが出来ないので、取り込まれないブドウ糖は血液中に余り、高血糖になるだけという結果になります。
(Long-term high-fructose high-fat diet feeding elicits insulin resistance, exacerbates dyslipidemia and induces gut microbiota dysbiosis in WHHL rabbits
Michelle Moughaizel et al. PLoS One. 2022.)
( High-fructose and high-fat diet-induced insulin resistance enhances atherosclerosis in Watanabe heritable hyperlipidemic rabbits. Nutr Metab (Lond). 2015 Aug 12;12:30)
“自然界に存在する糖質”を摂るようになっても、ランドルサイクルから抜けるのには結構な時間がかかります。月単位どころか、年単位だなと実感的には思います。
ちなみに私は丸3年以上経って、最近になってようやく『抜けてきたっぽい』という体での実感を持てるようになりました。
ランドルサイクルの機序を知る前は、飽和脂肪酸(酸素などと繋がる“手”が多い不飽和よりも、酸化されにくい)は普通に摂ってましたが、機序を知ってから、糖を摂るとともに初めの3ヶ月は飽和も不飽和も脂質をやめました。
自分の体が糖よりも脂質を優先して使うようになっている事は、長年の食習慣からわかりましたから。
ただ、現代は食品から否応なく入ってしまうので、完全に避けるのは不可能だと私は思っているのですが…それでも、知っていれば選ぶ事はできますからね。
これから先の生きていく時間を思えば、3ヶ月くらいやってみようと思ったのです。 この先の人生の中の、たった3ヶ月だ、と。
まず3ヶ月やってみて、それが自分にとってどうなのかは、自分の体が教えてくれるだろう、と考えました。
3ヶ月どころかひと月も経たないうちに体の良いほうの変化を感じて、私はこれでいってみようと確信したんですね。
波はあったもののあれから3年。長かったなあと思いますし、下向きの波が来た時には焦ることもありましたが、体そのものが楽になっている実感があったので、ブレることは無かったなあ。
下向きの体調の変化があった時には、その前にどういう生活だったか、どんなストレスがあったか無かったか、特に何を体に入れたのかを書き残すように心がけたことも、結構冷静に検討する助けにもなりました。
続く予定
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