◆エネルギーデトックスワーク協会
認定上級セラピスト・1dayセミナー講師
NAMIです◆
ふとしたきっかけで、職場でお借りした本です。
パール・S・バックさんというのは、『大地』という作品でノーベル文学賞を受賞したアメリカの女性小説家。
お恥ずかしい話ですが、全く知らない作家さんでした。
日本人ではない方に、こんな話が書けるなんて!! と、非常に驚きました。
いくら日本に住んでいたことがあったとは言え、どうしてこんなに日本人の感性を持っていたのだろうと、それに驚かされます。
しかも1948年の、当たり前ですが、東日本大震災のずっと前に書かれた作品です。
海と山(火山)に挟まれた小さな集落を、ある日、巨大な津波が襲う。
異変を知らせる警鐘の後、親兄弟に命じられるようにして高台へ避難した少年の背後で、津波が漁師の集落を飲み込みます。
ついさっきまで少年がいた場所が、親兄弟や友達、近所の人々もろとも、跡形も無く破壊される。
高台には仲良くしていた農家の少年が住んでいました。
その父親が言います。
『これからは自分たちがこの子の父であり、母であり、弟であり、妹なんだ』と。
年月が経ち、流されたまま何もなかった漁師の元の集落に、生き残った子供達が大人になって、1人また1人と帰ってきます。
その中には件のもと少年もいました。
全てを失いどん底に落ちながら、自分自身の生きる力と周りの支えを得て穏やかに優しく、強く成長した彼。
自分を保護してくれた一家の娘と結婚して、亡き父と同じ漁師となって家族を養うために、海辺に戻る決意をします。
娘の実兄にあたる、子供の頃からの友達でもあった、農家のもと少年キノは聞きます。
【海が恐ろしくはないのか、また津波が来るかもしれない】
家族の命を奪った海を糧として漁師となる、青年ジヤは答えます。
【海(=恐怖)から目を逸らさない。備えをする。向き合って生きていく】
(注・台詞はアレンジしています)
かつて、漁師の家は一軒残らず、海側に窓がありませんでした。
ジヤはいつかくる津波に備えるためのひとつとして、海側に窓をつくった。
祖先や親たちがしていた『怖いものから目を逸らす』という『当たり前のこと』とは違う事を選んだ。
キノの父親が、物語の中で何度かこう言います。
【生は死よりも強い】
古来、地震国で海に囲まれた日本では、津波は繰り返しそこの生活を襲ってきたことは想像に難くありません。
それでも人々はやがて故郷に戻り、再建を果たしてきた。
それは、自然災害であればこそ、叶ったことなのかもしれません。
『あの日』の大津波は、自然災害だけではなかった。放射能というものが、人々が故郷に戻る事を限りなく困難にしてしまった。
訳のわからない人災、或いは、予想を遥かに超える災害が次から次へと起こる近年。
だからこそ、【生は(死よりも)強い】というキノの父親の言葉に、非常に感銘を受けるのです。
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☆1dayセミナースケジュール
(2020年は東京開催のみの予定です)
●東京第20回 3月23日(月)10時〜15時(模擬セッション)
●東京第21回 4月21日(火)10時~15時(模擬セッション)
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